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兵庫県丹波市の山間にある春日スタジアム。そのやまびこが岩谷美里の号砲を演出した。
同日スポーツピアいちじまで開幕した第22回全国高等学校女子硬式野球選手権大会。参加校の多くの生徒たちが、プロの試合を観戦しに来ていた。


初回、上々の立ち上がりを見せたフローラの古谷恵菜。その裏のフローラの攻撃。
3番中村茜がライト前ヒットで出塁し、4番岩谷がセンターオーバーの豪快なタイムリーを放つ。
スタンドで観戦していた女子高生たちは「凄っ!」「こわっ!」と素直な驚きを見せていた。

だがディオーネも負けていない。2回裏のフローラの攻撃が2者残塁で終わると、流れを奪うように猛攻を開始。

3回表、8番只埜榛奈がレフト線のツーベースヒットで口火を切ると、三浦由美子、西山小春、三原遥、厚ヶ瀬美姫と5連続ヒットで一挙に3点を入れ逆転に成功。
この場面について碇美穂子監督は「やってきたことは、ちゃんと試合でできている」と胸を張った。

しかしその後、この日4打数4安打の大活躍を見せた3番中村がライトオーバーのスリーベースヒットで3打点を叩き出す。そして再び岩谷がレフト線ツーベースヒットで快音を響かせた。

今日の試合についてフローラの川口知哉監督は「やっぱり3番4番につきますね」と振り返り、「チームワークは非常にいい。高校生の憧れとなるプレーが出来るように日ごろから練習している。明日はより締まった試合を見せたい」と抱負を語った。


投げては後続の植村美奈子・小西美加が役割を果たしピシャリと抑えた。セーブを記録した小西は見に来てくれた高校生たちについて「下手したら私が産める世代の子達でしょ(笑)」とおどけながら、「私のプレーを見て、そして年齢を知って、驚いてもらいたい」と第一線で球界を引っ張るベテランの心意気を語ってくれた。

一方ディオーネの先発は、得意のスライダーを武器に今季5勝で負けなしの松谷比菜乃。
しかしその勝負球が狙われた。


試合後碇監督はこう振り返る。

「松谷は間違いなく研究されている。研究された場合の対策ができていなかった。狙われるとなると、スライダーの精度をますます高める必要がある」と厳しい表情。しかし「この負けを活かすことが何より大切」とチームを鼓舞した。
トップチームに上がったばかりで大活躍の松谷にとっては、更なる成長のきっかけとなるよいゲームとなったに違いない。

試合後、主砲岩谷はさらりと振り返る。


「楽しかったですね、野球やってるって感じで」


女子高生たちが3年間の青春をかけて戦う丹波の舞台。そしてその先にある女子プロ野球。夢のステージを目の当たりして、彼女たちは目を輝かせていた。

 

<次回試合>

7月28日(土)17:00試合開始

京都フローラvs愛知ディオーネ

春日スタジアム

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