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西山小春のファンなら誰もが知っている。
この日の試合を彼女が並々ならぬ想いで迎えたことを―


「今日だけは勝ちたい」


“覇気全開”をモットーに何事にも全力で取り組む彼女。

「今日だけは」と1つの試合に固執するのは珍しい。
だがその理由は彼女のツイートを見ればわかる。

最愛の母、七回目の命日だった。

初回、西山はセンター前にヒットを放ち、“リードオフ・ウーマン”としてチームを活気づけた。
3回には右足かかとに死球を受けた。一塁に駆け出すと途中でしゃがみこんでしまった。
「行けるかなと思って走り出したけど、痛くて崩れた」
4回表、ケガをおして出場し続けレフト前に逆転タイムリーを放つと、6回にもダメ押しのタイムリー。
最後は大事をとって途中交代したが、3打数3安打2打点の猛打賞を記録。最優秀選手として優勝に貢献した。

試合後ディオーネの碇美穂子監督は「やってきたことのすべてが出せた試合だった。西山だけでなくチーム全体が力を出し切った」と語った。
課題となっていた投手陣についても「普段から一人ひとりが意識を全体に向けて行動することを徹底して指導した」と話す。
そして攻守の要となる寺部歩美について「(同じキャッチャー出身として)通じ合うところが多い。率先して作戦会議を開き、今日の試合に備えてくれた」とその存在の大きさを強調した。

一方敗れたフローラ。
川口知哉監督は一言「野球は難しいな~」
だが収穫がなかったわけではない。

香川県丸亀市には塩飽(シアク)諸島と呼ばれる島々の多くが所属している。
かつて織田信長、豊臣秀吉、徳川家康などの天下人にその卓越した操船技術が認められた水軍の拠点である。
あの勝海舟を咸臨丸(カンリンマル)に乗せてアメリカに連れて行ったのも、この地域の人たちである。
度胸満点、荒波も恐れぬ海の男たち。
だがそんな彼らの子孫達も、今日のみなみのバッティングには目を丸くした。
初回、センターオーバーの豪快なタイムリーを放つとスタンドの男性客も「おお~!」「すげぇ~!」と驚きの一言。
みなみは3回にもレフト前にヒットを放ち、2打数2安打1打点。後半は積極的な勝負を避けられ2四球を選んだ。先日の丹波戦でも復調の兆しをみせていたみなみが、その本領を発揮し始めた。

この日の午前中には桑田真澄氏と女子プロ野球選手たちによる野球教室が開かれた。集まった子ども達は約300人。大きな盛り上がりを見せた。

過去から現在、そして未来へ。ありきたりな人間の営み。
そのありがたさを感じさせてくれた香川開催だった。

<次回試合>

8月7日(火)18:00試合開始

ヴィクトリアシリーズ

愛知 対 埼玉 第12戦

高知市営球場

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