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もともと野球をしていた。

けど続けられなくなった。

女子だから。

関商工高校時代はソフトボール部に所属した。

ソフトボールだって楽しかった。

仲間と喜びを分かち合えたから。

 

けど、どこか物足りなさを感じていた。

「もっと大きなフィールドで戦いたい」

「もっとダイナミックなプレーをしたい」

そんな想いを抑えきれなくなった。

高校を卒業、至学館短期大学に入学。

彼女は再び、野球のフィールドに戻ってきた。

そしてプロの道へ―

2018年8月20日、神奈川県平塚球場。

愛知ディオーネ先発ピッチャー。

堀田ありさ、背番号16。

1回、堀田はアストライア1番加藤優をショートフライで打ち取ったのを皮切りに、次々とアストライア打線を抑えていく。ビシバシとストレートでストライク先行のピッチングを見せ、気づけば4回までパーフェクトピッチング。

そして手にしたプロ初勝利。

試合後の堀田は「寺部さんのリードと野手のおかげです」と謙虚。記念すべきウィニングボールについては「母に直接渡します」と嬉しそうに話した。

最後に「もっともっと練習して、もっともっと考えてプロ野球界を背負っていけるように頑張ります」と抱負を語ってくれた。

碇美穂子監督(ディオーネ)は堀田の成長について「前回5月の登板時には自分からカウントを悪くすることが多かった。しかしキャッチボール・遠投・ピッチングのすべてを細かい部分から見直してよい投球ができるようになってきた」と話した。

 

これで8月は負けなしで4連勝のディオーネ。

攻撃もその勢いが止まらなかった。

1回表、ディオーネの攻撃。

守るアストライアの先発は泉由有樹。

1番西山小春がセンター前ヒットで出塁すると、2番三原遥が送りバント成功。中田友実がワールドカップで離脱している今、ベンチから手堅いプレーを期待されることが多くなった三原は、今日もきっちりとその期待に応えた。3番厚ヶ瀬美姫はセンターフライに倒れるも、4番只埜榛奈がお手本のようなセンター前ヒット。今日も打線をつなぐことを意識した4番の活躍で先制点を取った。

その後もディオーネは2回に1番西山、3回に8番御山真悠と9番三浦由美子、そして5回に再び9番三浦がタイムリー。さらに6回には5番榊原梨奈が犠牲フライでダメ押しの1点を追加し6対0。完全に流れを作った。

一方アストライアは6回裏に8番岩見香枝が右中間にツーベースヒットで出塁。2番佐々木希がライト線へタイムリーツーベースヒットを放ち1点を返す。しかし反撃もそこまで。最終回は森若菜の120キロを超えるストレートに抑えられ、8月に入って白星無しの不名誉な記録をまた1つ伸ばす結果となってしまった。

 

 

この日も4番で活躍した只埜は、ここまでのチームの様子をこう振り返る。

「みんな壁にぶつかりながらやってきた。そしてきっとこれからも」

只埜自身も開幕直後は打撃不振に悩んだ。シーズン中にも関わらずバッティングフォームの全面改造に挑んだ。出来上がったのが今のフォーム。慣れ親しんだ「グリップを沈みこませてから打つタイミングの取り方」を捨てた。

すると「今の自分にはちょうどよいタイミングの取り方になった」と話す。

チーム好調の要因について碇監督は「先制点を取れていること」を第1に挙げる。そして「伝える」と「伝わる」の違いに監督自身が気づいたことも大きいと話す。そのきっかけとなったのが先月7月末の春日スタジアムでの2連敗。

「それまでも日ごろの心構えや練習方法、試合当日の戦術に至るまで伝えていた。けれどもあの連敗をきっかけに『伝わっていないのではないか』と思うようになった」

「伝える」ことは「伝わる」ことへの第1歩に過ぎない。ひらがな1文字しか違わないが、その小さな違いの重要性に気づき向き合うことこそが、きっとプロとして勝ち進んでいくには欠かせないことなのだろう。

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<次回試合>

8月21日(火)18:00試合開始

ヴィクトリアシリーズ

埼玉 対 愛知 第14戦

平塚球場

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