ついに、とらえた。
埼玉アストライアが0.5ゲーム差だった愛知ディオーネを抜いて2位に浮上。10月7日、8日に川口市営球場で行われる女王決定戦出場へ向けて意地をみせた。
アストライアの先発は谷山莉奈。
ディオーネの先発は里綾実。
日本代表として世界大会6連覇に貢献した女子野球界を代表するエース同士の対決となった。
1回表、ディオーネの攻撃。
1番三原遥がレフト線へツーベースヒット。すると2番三浦由美子が送りバントに成功。試合開始1分もしないうちに3塁へランナーを進めてチャンスをつくる。
しかし谷山は3番厚ヶ瀬美姫を三振に打ち取りツーアウト。4番只埜榛奈にはフォアボールを許すも、5番中田友実をファーストゴロに打ち取りチェンジ。初回のピンチも0点に抑えた。
その裏、アストライアの攻撃。
1番佐藤千尋がセカンドゴロ、2番加藤優はピッチャーライナー、3番田口紗帆はサードゴロ。里はテンポ良く三者凡退で抑えた。
その後、早い回で試合が動く。
2回裏、アストライアの攻撃。
4番川端友紀がライト前ヒットで出塁。次の5番楢岡美和はヒッティングに出るもサードゴロ。2塁がフォースアウトで進塁打ならず。
6番山崎まりも三振に倒れランナーを進められずにいたが、1塁ランナー楢岡が2塁へ盗塁成功。すると7番今井志穂がレフトオーバーのタイムリーツーベースヒットを放ち1点を先制した。さらに8番岩見香枝が左中間へタイムリーツーベースヒット。2点目を入れた。
その後谷山は抜群の制球力をみせ、結局この日許したヒットはわずか2本。7回完封で今季6勝目をあげた。
試合後谷山は「最近調子がよくなかった。力みすぎてボールが高めに浮いてしまい打たれることが多かった。今日は球数が多くならないようにバッテリーで攻め方をよく話し合った」と話す。
残り試合については「自分が投げる投げないは関係なく、1試合1試合自分ができることを見つけて全力で取り組みたい」と勝利に向けて強い意気込みをみせた。
また谷山をリードし、タイムリーヒットを放った捕手の今井は「慎重に行き過ぎてボールカウントが先行しないように2人で心がけた」と話す。また自身のプレイについて「自分がリードするというよりは、自分が投手に助けられることが多いと思う」と話し、投手陣に対する厚い信頼をにじませた。
一方ディオーネの里は2回を投げきった後、左わき腹の痛みを訴え降板。堀田ありさが急きょマウンドに立った。
その堀田は急な投手交代にもかかわらず落ち着いたマウンドさばきと打たせて取る投球を徹底。被安打は2本に抑え、こちらも谷山に負けない見事な投球をみせた。
試合後里は自身のケガについて「突発的なものなので少し休めば治ります」と話す。そして「先発の役割を果たせなかったことがチームに申し訳なく、本当に悔しい」と厳しい表情。だが後を継いだ堀田については「急な登板で負担が大きかったと思うが、0点で抑えてくれて助かったし、彼女の成長を感じられてとてもうれしかった」と笑顔で話した。
そしてこの日、京都フローラのヴィクトリアシリーズ優勝が決定した。試合後、川口知哉監督の胴上げが始まった。この胴上げを見るために遠くから来てくれたファンの前で、監督は選手達にかつがれ満面の笑顔で宙に舞った。
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<次回試合>
9月17日(月)13:00試合開始
ヴィクトリアシリーズ
埼玉 対 愛知 第20戦
県営大宮球場