第8回女子野球ジャパンカップ大会2日目、この試合から準々決勝を迎える。
第1試合は、京都両洋高校(高校1位)対日本大学国際関係学部(大学2位)との対戦。
京都両洋高校は、創部4年目にして初のジャパンカップ出場。
注目は来春よりプロ入り内定のエース坂原愛海とキャッチャー平井菜生のバッテリー。
特に坂原のキレのある直球はプロの指導者も唸るほどの実力。
対する日大国際関係学部は、元女子プロ野球選手である坪内瞳監督が率いるチーム。創部5年目にして、ジャパンカップ初出場。教え子たちを引き連れ、親しみあるわかさスタジアム京都に帰ってきた。
試合前、坪内監督は
「京都両洋はバッテリーがいいチームだと聞いていたので、特に坂原選手のストレートに振りまけないよう、速いボールを打ち込む練習をしてきた」
と語った。
女子高校野球界No1バッテリーと元プロの教えを受けた選手たちとどちらが上手か、白熱した展開が予想される対戦が今始まる。
京都両洋先発は坂原、対する日大国際関係学部は柳理菜。
初回から両投手好投を魅せ、4回まで無得点で試合は進む。
▲日本大学国際関係学部先発の柳理菜
試合が動いたのは、5回裏日大国際関係学部の攻撃。1死からヒットとフォアボールで出塁したランナーをバントで進め、2死2,3塁として打席には1番鈴木綾乃。2ボールからの3球目だった。
「ベンチでみんなが応援してくれる姿が目に入って、ここで絶対打つと心に決めて打席に入った。バッティングカウントだったので、絶対ストライクがくる。ストレートにだけに狙い絞って思い切ってバットを振ろう」
狙い通りにきたストレートを捉えた。先制の2点タイムリーヒット。
▲先制タイムリーヒットを放った日大国際関係学部の鈴木綾乃
反撃したい京都両洋だったが、日大国際関係学部の先発柳に凡打の山を築かれる。
6回裏にはダメ押しとなるタイムリー含む2本のヒットとスクイズで2点を追加した。
試合は大会規定により、6回でゲームセット。
日大国際関係学部が準決勝進出を決めた。
先発柳は4安打完封勝利を挙げた。
試合後柳は
「とにかく苦しかった。ストレートも変化球も制球が定まらず、自分自身の内容は最悪だった。それでも野手の活躍に救われたて勝てたことは良かった。チームメイトに感謝したい」と試合を振り返った。
敗れた京都両洋坂原は、
「まだまだ自分のピッチングでは通用しなかった。自信のあるボールであるストレート、スライダーも捉えられてしまった。精神的な弱さが出てしまって負けてしまったので、技術面含めメンタル面も強化していきたい」と前向きに語った。
また受けたキャッチャーの平井は
「どのバッターも簡単に打ち取れず、球数が多くなってしまった。気が抜けない打線だった。その中でヒットを重ねられて負けてしまった。このジャパンカップで課題が多く見つかったので、次のステージまでに鍛え直したい」
とこちらも自身の成長に向けて、爽やかに語った。
▲京都両洋の平井菜生(左)、坂原愛海(右)
次戦以降の結果が楽しみなチームの台頭に、今後の活躍が楽しみな選手たちの苦い経験。
女子野球の明るい未来が望めそうな大変収穫の多いゲームであったのではないか。