第8回女子野球ジャパンカップ準々決勝第3試合。
埼玉栄高校(高校3位)対尚美学園大学(大学1位)
埼玉栄は、春夏合わせて13回の全国制覇実績の持つ女子高校野球の強豪チームである。これまでの数多くの名選手たちを育成、輩出してきた。
尚美学園大は前の試合で愛知ディオーネを破る大金星をあげた。
投打のバランスが取れた実力派の女子大学野球界の名門チームである。
同じ埼玉県を拠点とし、日頃から親交のあるという、ある意味手の内を知る者同士の対戦は、どのような展開になるのか。非常に楽しみな一戦である。
尚美学園大先発は、未来の二刀流選手として注目が光る山田優理。埼玉栄は来年のエース候補という北澤神楽。
▲埼玉栄高校先発の北澤神楽
試合は初回、尚美学園大の攻撃は2四球とダブルスチールを決め、1死2,3塁とし4番豊田京花が、センター前のタイムリーヒットを放つ。
「ランナーをためた状態で回してくれたため大きいのは狙わず、一本一本返していければと打席に向かったのが良い結果につながった」
と豊田は振り返る。
▲先制打を放つ尚美学園大学の豊田京花
さらに後続がつながり、初回いきなり3点を先制する。2回にも3本のヒットと相手のミスが絡みさらに2点を追加し、序盤から主導権を握る。
反撃したい埼玉栄だったが、山田の前にチャンスを作れず攻略の糸口を見出せない。
尚美学園大は、6回裏にもヒットと盗塁で無死2塁とし、前の試合でホームランを放った2番豊巻翔子がライト線へタイムリーツーベースヒットでダメ押しの1点を追加した。
最後も山田が3人できっちり抑え、投打のかみ合った尚美学園大学が準決勝進出を決めた。山田は4安打完封勝利。
▲4安打完封の尚美学園大学、山田優理
試合後敗れた埼玉栄の岩井監督代行は、
「新チームのメンバー主体で臨んだ試合だったが経験の浅さが原因か、練習で出来ていることが実践の場で出来なかった。実践に繋がる気持ちの持ち方、技術の向上を目指してこの一冬積み重ねたい」
と若いチームの今後について語った。
同チームキャプテンの石垣真弥乃は、
「去年と同じで力及ばず、まだまだと感じさせられた試合だった。チームとしての総合力を高めて、来年夏の選手権を優勝してまた帰って来たい」と語った。
石垣は来年女子プロ野球の入団テストを受けると宣言した。憧れているのは京都フローラ浅野桜子。
悔しい思いをした彼女の今後の成長にも目が離せない。